たまには

麻酔の話でも・・・(苦笑


心外麻酔もまぁうまくはないにしろボロクソに言われないくらいにはかけられるようになってまいりました。
導入もかなりスムーズになってきました。VラインとってAラインとって患者さん寝かせてもういっこVラインとって挿管して経食エコー入れてCVカテ入れてSGカテ入れて術者に「さぁどうぞ」というまでかなり時間が短くなりました。そして上手にできるようになってきました。こないだどれも一発で危なげなく入ったときはすごい記録更新できて、茶々入れに来たオーベン軍団に「あれ?もう挿管終わったの?」「あれ?もうCV入ったの?」と驚かれ、術者には「ごめん、出遅れた。導入早いねぇ〜」と言われ、かなり嬉しかったです。私は褒められて伸びるタイプなので効果覿面(笑


焦らず急ぐ。ただし、丁寧さや繊細さを欠いてはいけません。あくまで優しく丁寧に、デリカシーを忘れずに。そして元チューベンに教わった最も大事なこと、「怒ってはいけない」。ぐっと堪える。人にあたってはいけない。怒鳴ってもいけない。そんなことしていいことなんてひとつもありません。「自分の評判を落とすだけだよ」と諭されました。忙しい外科にいながらも誰に対しても絶対に怒らないそのチューベンの先生の下についてから、その大切さを実感しています。怒らずに、教える。意外とそれをできる人は少ないです。けどそれがすごく大事なんだと確信しています。今のためにも、今後のためにも。


さて、不思議なことに、麻酔に慣れれば慣れるほどビビりになります。私はもともと完ぺき主義なところがあり(お芝居もキャスト変更すると「キャスト制覇」するために見に行ってしまうし、ゲームもアイテムコンプとかアビリティコンプとかしてしまう)、薬や備品を無断にしない程度にばっちり準備してしまいます。けど「麻酔をかけるということ」の恐ろしさを知らないローテーターや新人さん(いや、私も新人ではあるんですが・・・)は結構準備が疎かで、「エアウェイは手に届くところに置いておこうよ」「このコードとコードが絡まってるよ?」「念のためこの薬も準備しておいたほうがよくない?」とまるで姑のように口出しをしてしまいます。


「何かが起こる可能性は低い。けど、何が起こるか分からない。そして万が一何かが起こったときは一大事」なのが麻酔だと私は思っています。だからこそその「何か」を起こさないよう全力投球するわけです。避けられることは全力で避け、防げるものは全力で防ぐ。産科の話ではないですが、何事もなく終わって当たり前みたいに思われがちな「手術」ですが、その影にはストレスでアルコール多飲になってしまうくらい気を使ってる麻酔科医がいることをちらりと思っていただければ・・・などと思ったりするわけです。





・・・すいません、ついついでに言ってしまいましたが、飲みすぎなのは別に麻酔とは何の関係もありません。ほんとすみません反省しますorz