息抜き


昔から好きだった料理。
食べられるけどそのままじゃ大した味もしない「食材」が立派なおいしい「料理」になる。それが楽しくてしょうがない。
毎日晩ごはんを作り、翌日のお弁当も二人分作ってます。
大変じゃん!すごいね!とか言われるけど、平日作るのは簡単なものばかりだし、節約と息抜きと健康管理を兼ねた私には欠かせない一日で一番楽しい時間なのです。
4月に作ったぬか床もいい感じになってきたし、最近はサラダにかけるドレッシングもほとんど手作りするようになりました。圧力なべにはまって豚の角煮も上手にできるようになりました。


先日は夫の上司が「夫婦でごはん食べにいらっしゃい」と自宅に招待してくださいました。夫が上司に論文を見てもらっている間に、私は料理が得意な奥様と台所で晩ごはん作り。「安いバルサミコ酢でもこうするとコクが出るのよ」とおいしいソースの作り方を教えていただきました。


なにこの充実した時間。楽しすぎる。


私はスーパーウーマンじゃないので、一日24時間医者ではあるけど、一日24時間*1仕事するのは正直無理です。仕事が楽しい!と思えるくらいでいたいな・・・

*1:ちょっと極端か。もっと少ない時間でも

 職場変わって数カ月。


なんかもう日々色々ありすぎてずっと書けずにいました。
なのにアンテナに入れていただいてる数が同じ(か、数件増えたかも)でした。
相変わらずもうやめようかなーなんて思いつつ、生きてきた証拠(笑)なのでとりあえずやめるのはやめようかと。


医者7年目、麻酔科4年目ということで、本格的に中堅どころに位置するようになりました。
心外も導入手伝ってもらったらあとはよほどの問題が生じない限りひとりでやるし、常勤の麻酔科医がいないところにひとりで行って、ひとりで麻酔かけて、ひとりで帰ってくる、ということもやるようになりました。もちろんオーベンとして研修医や若手麻酔科医の指導もするし、術前外来もやります。


要するに、なんでもありなんです。「便利な子」というか…


職場が変わった初日の午後には急患、翌日にはひとりがけ、その翌日には外勤。次の週には呼外と心外、術前外来、オーベン・・・


なんだか「早く使えるようにしよう」という雰囲気満々で、若干ぐったりしてしまいました。甘いのかな。けどオペ室のルールやお作法、さらに麻酔の仕方などがこれでもかというくらい元職場と違っていて、本当に精神的におかしくなるんじゃないかと思うくらいでした。今までやっちゃだめと言われてきたことが正式なやり方として採用されていたり、この方法でやれと言われていたことが禁忌になっていたり・・・もうとにかく今まで頑張って習得してきたものが全否定されるというか・・・


そして元職場より規模が小さい分、結構なあなあでやっていることや目を白黒させてしまうようなことが平気で行われていてそれもストレスの原因でした。元職場だったらありえないんですけど!といっても誰も私の元職場のことなんて知らないし、ここの人たちはそれが常識でずっと来ているので私が言うことなんてそもそも意味が通じないみたいです。ほんと恐ろしい・・・けどきっと元職場に就職する新しい人たちにとっては元職場がありえない場所だったりするんだろうな、とかあんまり建設的ではないことを考えて気を紛らわせていたりしました。


A先生「職場変わると大変だと思うし、何でも言ってね。前の職場ではどんな風にやってたとか、いい案はどんどん取り入れたいし、ここをもっと変えていきたいと思ってるんだ。麻酔のやり方も先生の慣れたやり方でいいからね。」
B先生「先生は来たばっかりだから何も言わない方がいいよ。何があっても黙ってここのやり方に従って。色々思うところはあるかもしれないけど、これも修行と思って。」


なんだろな。色々経験して辛いこととかには慣れたはずなのに、今が一番辛い気がしてしまう。
あ、でも今が一番辛いなら今後はよくなるだけかも!
・・・ほんとかよ・・・

期間限定の専業主婦

だいぶ新しい環境にも慣れましたが、引っ越す直前は慣れ親しんだ病院を去るのが寂しくて、毎日鬱々としていました。


…と言いたいところなのですが、最後の10日間だけで当直が3回、送別会が5回という恐ろしいスケジュールで、とにかく身体を壊さないようにするのに必死でした。まぁ一部の送別会に関してはなぜか私が人集めやら店予約やらをやっていて、これってただの飲み会なんじゃ…って感じではありましたが。


その後はしばらく仕事をお休みして専業主婦もどきをやっていました。社会人になってからこんなにまとめてお休みしたのはもちろんはじめて。自分は仕事してないと死んじゃうんじゃないかと思っていましたが、全然大丈夫でした。毎日「家を作っていく」のが楽しくて、むしろこのままでいいんだけど…と思ってしまったくらいです。


毎朝相方のお弁当を作って、昼間はルンバと一緒に家事をし、最飼い始めた金魚に時々ごはんをあげながら引越し荷物の片付けをしていました。


あとはぬか床を作りました!玄米を家で精米しているときにできるぬかを使って一から作ったぬか床は、愛着がわいてなかなかカワイイです。まだ若くてコクがないですが、徐々にぬか漬けっぽくなっていくのを感じるのはなかなか楽しいです。


これから徐々に新しい仕事場に慣れていかねばなりません。頑張らなきゃ。

マリッジブルーのしくみ(女医ver.) 3日目


次に襲ってきたのが「改姓への抵抗」でした。


それまでずっと名字が変わることに憧れを抱いていて、しかも彼の名字をすごく好きなのに、直前になって急に「なんか…嫌かも」と思いはじめてきたのです。
免許証や銀行やクレジットカードから始まり、職場の名札、各種保険、学会、ファンクラブなど、とにかくありとあらゆるもののの氏名改姓の手続きを進めるうちに、だんだんと自分の元の名前を記したものが少なくなっていき、それと同時に30年間生きてきた自分が消えていってしまうような気がして、だんだん辛く悲しくなってしまったのです。



特に嫌だったのが、医師免許証の氏名変更です。



だって、この免許を頑張って取ったのは旧姓の私であって、新姓の私じゃない。
大変だった医学部入試、辛かった医師国家試験、苦しかった研修医時代も頑張ったのは旧姓の私だ。
しかも影になり日向になり支えてくれた両親と二人三脚だったじゃないか。
国試に合格し、しばらくして表彰状みたいな医師免許証が届いた時、しげしげと眺めながら「いや〜うちの子は本当にすごいねぇ。親を越えちゃったよ〜」とこれ以上ないくらい嬉しそうに言ってくれたのに、その親の名字とは違う名字を今後医師として名乗るなんて…
親を裏切ってしまうような、申し訳ないような、なんとも言えない気持ちになりました。
同時に、そんな気持ちになることがない彼にちょっとむかついて、チクチクと文句を言ってみたりもしました。


まぁこれは手続きの量が半端なさ過ぎて八つ当たりしただけとも言えますが。

マリッジブルーのしくみ(女医ver.) 2日目


「独身への未練」は言い換えると「ひとりでいられることへの未練」です。


基本的になんでもひとりでできてしまい、自分のペースで好きに行動できる「ひとり」をあえて選ぶことも多々あって、女の子たちがよく言う「寂しい」という感情をあまり持たない私ならではなのかな…と思いました。


自分の給料を使うなり貯めるなり好きにでき、思いたったら当日券でお芝居を見、帰りにお気に入りのバーでぼーっとお酒を飲み、友人の誘いがあったら軽く乗り、休日の前日には「よっしゃ、今夜はオールでFFの歴代ボスを倒すぞ〜!」というのがもうできなくなるわけです。


手に職があるから健康でさえいればとりあえずお金に困ることはないし、家事も人並みにこなせるし、良くも悪くも「ひとりで生きていける」私は、その「自由」を手放すことに軽い恐怖を感じたのです。それまでは結婚願望が強くてプロポーズされた時もすごく嬉しかったのに不思議なもんで…。「結婚してしまったらもう一生自分の好きに行動できないんだ…」と思ってしまい、焦った結果こういう行動に出たりしました。独身最後のゲーセン、独身最後のお芝居、独身最後の母親とのランチ…と息つく間もなく予定を入れまくる私に「なんでそんなに『独身最後の…』って言うの?結婚したくないの?」と彼が言ってきたのを覚えています。


そこではっとして「私は結婚したくないんだろうか」と考えてみました。
…別にそういうわけじゃない。と、思う。多分。
っていうかよくよく考えてみたら私がやってきたことは特に彼から結婚後にやるなと言われているわけでもなく、むしろ「俺が当直の時とかに自由にしたらいいじゃない」と言われて、別に結婚してもびびってるほど制限はかからないのかも…と思えてきて、まぁなんとか持ち直すことができました。



ちなみに私以上に結婚願望が強いけどまだその予定が全くない同僚*1に「独身が惜しくなってきた」という話をした時、「まぁそう思うのも自然なんじゃない?いわゆるないものねだりってやつだよね。私はもう独身はいいもん。明日にでも結婚したい。」と言っていました。なるほど。

*1:女医さんは世間の平均より結婚が遅い傾向にあるため、まわりにかなりいる。ちなみに30超えて結婚した私はどちらかと言えば早婚の部類に入る。

マリッジブルーのしくみ(女医ver.)


どうやら人並みにマリッジブルーなるものを経験していたみたいです。


「本当にこの人と結婚していいのか…」


結婚したくないわけじゃないし、彼は私の「結婚相手における絶対譲れない条件」をちゃんとクリアしている。


でもそれならなんでこんなにもやもやしてるんだ?
どうしてワクワクできないんだ?
そんな自分も嫌だ…


よく結婚式の準備をしている時にマリッジブルーになる人が多いといいますが、私の場合はちょっと違って、「独身への未練」と「改姓への抵抗」と「職場が変わることへの不安」が大きかったようです。
一言でまとめてしまえば「失うもの」ばかりに目がいってしまっていたわけです。
まぁそれがきっかけで、今現在自分は思っている以上に充実した人生を送ってるんだな…と気付くことができたわけですが。


なんか書いてたらすごく長くなってしまったので、ちょっとずつ分割して書いていく予定です。

 疲労度判定リスト


・勤務チェック用のカードリーダーにクレジットカードを通す
・ナースサンダルを履いたまま帰ろうとする
・普通に化粧したはずなのに「ナミ先生、今日はノーメイク?」と言われる
・普通に仕事してるつもりなのに「もしかしてナミちゃん疲れてる?」と心配される
・書いてある電話番号を読み上げるだけなのに、間違える
・数年ぶりに公道ですっ転ぶ
・オペ室に入室してきた患者さんに「確認なのですが、今日の手術部位は左右どちらですか」「右です」「はい、分かりました、左ですね」と言って患者さんをちょっとびびらせる
・術前外来で麻酔の説明をしていて「のどに管を入れて管理します」というところを「管にのどを入れて管理します」といって患者さんとともに「???」となる


すべてここ数週間でやっちまいました。
ちょっと疲れてるみたいです。
いやー結婚ってほんと大変ですね。特に名前が変わったり職場が変わったりする側がこんなに大変だったとは・・・
これで離婚する方が大変とかって一体どんだけ・・・
あ、そういえば先日晴れて結婚しました。
夫に「何もしない日を作って休んだら?」と言われたのですが、本当に休日にじっとしていられなくてとにかく予定を詰め込んでしまいます。
土曜日に日当直→日曜の午前中に献血、昼に観劇して夜に飲み会、という具合に。最近ちょっと病的なんじゃないかと思えてきました。


気が張っている時は風邪ひいたり体調崩したりとかしないのですが、これが途切れるとガタッといくことがあるので気をつけねば・・・