限界突破

前回日記に書いたやや楽な日々はどうやら幻だったようです。退院が相次ぎ一時的に患者さんの数が減ったと喜んでいたら連日緊急入院を入れられて悲惨な日々を送っています。オーベンは外勤でいなくてチューベンはオペでいない時に急患なんて入れないでください。「医者」という肩書きはあっても私一人じゃ対応できないことくらい言わなくても分かるでしょーが。



最近寝る夢をよく見ます。夢の中で眠ってるんです。

日中はイスに座る間もないくらい忙しく、いざイスに座ると意識が飛びます。

オペは睡魔との闘いです。意識朦朧としながらの鈎引きなんて日常茶飯事。オペレーターの時でさえ疲れてるのともはや興味を持てないのとで完全には集中できなくて、何度言われても1mmほどの太さのある動脈を認識することができず、だいぶ止血に苦労しました。


最近だんだん朝起きれなくなってきたな・・・と思っていたらとうとう先日寝坊しました。オーベンの先生が私を発見した時の第一声は「体調悪くしちゃった?」でした。

私「だっだいじょぶです、遅刻してすいませ・・・」
オーベン「喘息の発作でも出た?風邪引いたとか?」
私「い、いや違うんです。ただの目覚まし事情で・・・」
オーベン「じゃ具合悪いんじゃないのね?」
私「はい、具合は悪くないんです。ただ寝坊しちゃって・・・」
オーベン「よかった、それならいいんだ。寝坊ならいいんだ・・・」


全く怒られませんでした。


今までは「3ヶ月の辛抱だから・・・」「みんな同じ状況だから・・・」「これに耐えられなければ医者に向いてないってことだから・・・」などと思っていましたが、さすがにちょっと色々おかしい気がしてきました。他の死にかけている研修医も全員同意見のようだったので、これはただ耐えれば済む問題じゃないと判断し行動を起こすことにしました。

けどやっぱりただ自分がこらえ性がないだけなんじゃないか・・・という思いは残ります。我儘なだけで自分が楽になりたいだけなんじゃないか、とか。しかもこういうことをすると今後研修がしづらくなるかもしれないし、そもそも私がいる間に何かが変わるとも思えないし。

・・・というわけでまだちょっぴり迷いはありますが、でもせめて後から回ってくる人とその人たちに診られる患者さんのためによりよい環境にしてほしいとは思うので、やっぱり「誰かがやらなきゃいけないこと」はやっておこうかと思います(くじけないように宣言