器械出しデビュー

週末は当直してました。


産科ではそれほど大きなことはなかったのですが他科で緊急オペがあり、人手が足りないとのことで急遽私も参加することとなりました。


指導医「先生、器械出ししてきて〜」


はいはい、器械出しですね、器械出し・・・



って器械出し?!



注:器械出しとは
   オペ中に術者に手術器具を手渡す人のこと。別名「直介(直接介助)」。術者が「メス!」とか「コッヘル!」とか言った時にパシッとその手に器具を持たせるあの役。手術の流れを分かっていないと器械を手渡すのに時間がかかってしまい手術を滞らせることとなりヒンシュクをかう。そしてそれ以前に器具の名前をちゃんと分かっていないとお話にならない。また、ガーゼカウントや器械カウント(お腹の中に残したまま閉腹したりしないよう、術中に何度か枚数/個数を数える)といったこともせねばならず、結構大変だったりする。


突然ふって沸いた重大任務にビビる間もなく(←緊急オペだから)、病棟を出ようとしたら指導医に敬礼で見送られましたorz


できることなら回れ右して病棟に戻りたくなりながらなんとかオペ室に到着。


他科の先生「器械出しってやったことある?」
私「な、ないです・・・
他科の先生「そ、そうか・・・し、心配しなくていいよ、お、教えてあげるから・・・」


明らかに私より心配そうな先生に「コッヘルとペアンの違いって分かる?」「ミクリッツって分かる?」などといくつかのことを確認されてから、いざ手術開始。開始後も「長い、曲がりの、ペアンください」などとやたら丁寧な指示をいただきながら(普通だと「曲がり!」の一言だったりする)なんとかオペは無事進行していきました。

本当にどうなることかと心配しましたが、開腹の手順なんかはカイザーと同じだし、閉腹の頃にはちゃんとオペ室看護師さんが来てかわってくれたのでなんとか無事任務を終えることができました。えがった・・・


その後病棟に戻り、真夜中には助産師さんたちとゴキブリの撃退方法というか抹殺方法について熱く議論し(私は殺せませんが)、それがいけなかったのか患者さんのひとりが新しく点滴を始めることとなってしまい、それに伴って1時間置きに患者さんのもとへ採血に行くはめになってしまいました。採血するほうも大変ですがされる方も大変です・・・が、不幸中の幸いと言うべきか、患者さんは眠気のあまり採血中もスヤスヤと寝ていました。


助産師さんにおやつをもらったりしながらなんとか眠りにつけたのが午前4時。でもそれ以降は何も無かったのでまた連続して3時間以上寝ることができました。素晴らしい。


私の前の日の当直なんかは複数の緊急オペの合間にお産も複数あり、当直の先生方は文字通り眠れない夜をすごしたようでした。こういう当直が1回でも平日の夜にあったりすると簡単に連続40時間無休勤務とかになり、その後数日は疲れがとれなくなるので結構イヤです。幸い私は「当たらない人」なので今のところあまり困ったことはありませんが・・・